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海外拠点マニュアルの手戻りを防ぐ! 製造現場を支える翻訳用語集の力!

作成者: 岩田駿生|2025/10/05 23:00:00

海外拠点マニュアルの手戻りを防ぐ!
製造現場を支える翻訳用語集の力!

 

目次 

1.はじめに

本ブログは、製造業の技術部門で海外拠点向けの教育・技術マニュアルを担っている管理職・リーダークラスの方に向けた内容です。

「国内版のマニュアルを基に海外版を再作成するたびに専門用語の揺れを手修正している」「結局現地からの問い合わせが多くマニュアルが活用されていない」…

そんな経験がある方に向けて、役立つヒントをお届けします。

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2.マニュアル担当者が抱える課題と多言語化

動画マニュアルを導入して、ある程度”国内拠点での活用”が進むと、協力工場や海外拠点といったサプライチェーン全体にマニュアルを展開する段階になります。
そこでマニュアル担当者が直面する大きな課題の一つが「作ったマニュアルを海外拠点向けに再作成するのに時間がかかる」ことです。

根本的な原因として”翻訳や表現が拠点ごとに揺れることで現場の解釈が割れ、作業ミスに繋がるケースが多く、手戻りが頻発する”ことがあげられます。
修正する機会が増えれば、作成者の負担は大きくなり、必要な拠点全体にマニュアルを浸透させるのには多くの時間を有することになります。
厚生労働省の調べによると、日本国内の外国人就労者は230万人(2024年10月時点)に達しており、業種別では59.8万人で製造業が最大の26.0%を占めています。
出典:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況』(2024年10月)

このことからも、海外拠点はもちろん、国内の労働者層が多国籍化する流れの中で、多言語運用の負荷は増えていくとみるのが妥当です。

近年の機械翻訳の進歩により、一般的な文章であれば高品質な翻訳が可能になってきましが、製造業のマニュアルのように専門性が高く、文脈依存の強い文書では、依然として課題が残されています。
特に製造業の固有名詞や工程名、略語といった”翻訳モデルが学習していない分野の専門用語は狙った変換になりづらい”傾向にあり、誤訳や不自然な訳が発生しやすくなります。

上記のように製造業向けマニュアルを多言語展開するには”ただAI翻訳で多言語化するだけでは不十分”であることがわかります。
そのため、作成者は機械翻訳した後に手作業でマニュアル一つ一つを修正するのが当たり前という非効率な構造が常態化してしまいます。

製造業における動画マニュアルの多言語展開は、海外拠点や多国籍化が進む国内現場にとって不可欠な取り組みですが、専門用語や工程名を多く含む製造マニュアルは、誤訳や不自然な訳が頻発してしまいます。
結果として、手修正が増えることから「作ったマニュアルを海外拠点向けに再作成するのに時間がかかる」という構造に陥っているのが現状です。

 

3.解決の第一歩は「用語の管理」

多言語マニュアル展開における最大のボトルネックは、翻訳そのものよりも”専門用語や工程名の表現揺れ”にあります。
現場で使われる固有名詞や略語が拠点ごとに異なる訳で定着してしまうと、同じ手順を指していても違う解釈を生み、作業の混乱やミスにつながります。
こうした問題を防ぐために、一部のマニュアルツールでは解決策として”用語の管理”をする機能を搭載しています。

用語管理の仕組みは、専門用語や略語、社内用語などを統一した形で記録・共有でき、翻訳や更新のたびにバラバラな言葉が使われる事態を避けられます。
例えば、ツール上に用語とその推奨訳をあらかじめ登録しておくことで、自動翻訳や編集作業の際に一貫した表現を維持でき、結果として修正工数を大幅に削減することが可能です。

また、用語を”資産として蓄積できる”点も重要です。一度登録した用語は後続のマニュアル作成や翻訳作業に繰り返し利用でき、担当者が変わっても同じ基準で翻訳・編集が行えるため、属人化を防ぎます。
これにより、国内外の拠点間で知識が分断されることなく、全体として統一感のあるマニュアルを配布できるようになります。

つまり”用語の管理”を仕組みとして組み込むことは、単なる翻訳精度の向上にとどまらず、マニュアル全体の信頼性を高め、グローバルに活用できる基盤を築く第一歩と言えます。

4.Diveの”翻訳用語集”で高精度な自動翻訳を実現

前章でも述べたように、多言語マニュアル展開における最大の課題である”用語や工程名の表現揺れ”を解決するために、Diveでは”翻訳用語集”を活用した自動翻訳の仕組みを提供しています。
以下は翻訳用語集が、具体的にどのように多言語マニュアル展開の課題を解決し、運用を支援するのかを整理した3つのポイントです。

➀用語集による一貫性の担保
Diveの翻訳用語集では、製造業特有の専門用語や社内で使われる略語をあらかじめ登録することができます。
例えば「治具」「チョコ停」「ライン作業」といった業界用語の標準訳を定義しておくことで、自動翻訳時に用語が統一され、編集時の手修正や手戻りが最小限に抑えられるといった効果を発揮します。
これによって、言語ごとに異なる訳語が使われるリスクを減らし、現場での解釈の揺れを防ぐことができます。

②翻訳作業の効率化と属人化防止
用語集に登録された情報は、Dive上で作成・更新されるすべてのマニュアルに適用されます。
そのため、言語が変わっても担当者が変わっても一貫した基準で翻訳が可能となり過去の知見を資産として蓄積・再利用することができます。
これによって、従来の”属人的な翻訳作業に依存しない体制”を実現できます。

③多言語展開のスピードアップ
翻訳用語集を活用し、自動翻訳の精度が上がることで、マニュアルを新たに多言語化する際も修正工数を大幅に削減することができます。
結果として、国内外の拠点への展開スピードが向上し、サプライチェーン全体で統一された教育・作業基盤を整えることが可能になります。

このように、Diveの「翻訳用語集」は単なる翻訳支援ではなく、グローバルに通用するマニュアルを迅速かつ正確に届けるための仕組みです。

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5.まとめ

今回は【海外拠点マニュアルの手戻りを防ぐ!製造現場を支える翻訳用語集の力!】を解説しました。
製造現場における多言語マニュアルの課題は、翻訳精度そのものよりも、専門用語や工程名の表現が拠点ごとに揺れることに起因するのが実情です。
そのため、AI翻訳だけでは不十分であり「用語を管理」する仕組み作りこそが、初めて手戻りを防ぎ現場に正確な情報を届ける第一歩となります。

当社の動画・ARマニュアルツール「Dive」ではこのような問題を解決すべく”翻訳用語集”をはじめとする多言語運用を支える管理機能に加えて、AIによる手順分割やタスク管理など教育を支援する多彩な機能もご用意しています。

「教育マニュアルの多言語化に取り掛かりたい」「効率よくマニュアル運用を進めたい」という方はぜひ、詳しい情報をオンラインデモ・個別相談会にてご紹介いたします。

ご覧いただきありがとうございました。

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