近年、製造業や設備メンテナンス、物流などの現場系業種で動画マニュアルの導入が進んでいます。背景にあるのは深刻な人材不足です。経済産業省の「2024年版ものづくり白書」によれば、製造業の60%以上が「指導する人材が不足している」と回答。34歳以下の就業者は2002年の384万人から2023年には259万人へと、約125万人も減少しています。
こうした状況を打開しようと動画マニュアルを導入する企業は増えていますが、同時に「作ったのに現場で見られない」という声も少なくありません。株式会社CTが実施したマニュアル活用実態調査では、マニュアル作成担当者の87%が「ユーザーに十分活用されていない」と感じた経験があると回答しています。
なぜ、時間とコストをかけて作った動画マニュアルが活用されないのでしょうか。その原因は「通し動画」という形式そのものにあります。
動画が「見られない」を解決!現場作業特化型の動画・AR手順書システム「Dive」
10分の通し動画の中から、今まさに必要な30秒の作業シーンを探すのは簡単ではありません。現場作業者は手を止めて動画をスクロールし、該当箇所を見つける必要があります。忙しい現場でその手間をかけるくらいなら「先輩に聞いたほうが早い」という判断になるのは自然なことです。
動画は作業の「流れ」を見せるのは得意ですが、手順ごとの判断基準や条件分岐を体系的に伝えるのは苦手です。「この数値が○○以下なら△△する」「この状態なら注意が必要」といった情報は、動画を見ているだけでは記憶に残りにくいものです。前述の調査でも、マニュアル作成者の46%が「文字や言葉では十分に伝えきれない」ことを課題に挙げています。
通し動画による学習は受動的になりがちです。一見わかりやすい動画でも、視聴しただけで理解した気になり、実際の作業場面で再現できないケースは珍しくありません。作業のコツや安全上の注意点が動画の流れの中に埋もれてしまい、体系的にインプットされないことが根本的な原因です。
これらの問題を解決するアプローチとして注目されているのが、動画を手順(ステップ)単位に分割して整理する「手順書型」の形式です。
| 通し動画 | 手順書型 | |
|---|---|---|
| 構造 | 1本の長い動画 | 手順毎にステップ分割 |
| 参照方法 | 全編を再生しながら探す | 必要なステップに直接アクセス |
| 情報整理 | 動画の流れに依存 | コツ・注意・安全事項がフォーマット化 |
| 作業中の利用 | 両手が塞がると操作できない | 手順を見ながら作業できる |
| 教育との連携 | 閲覧のみ | 手順毎の理解度チェック・スキル評価に連携 |
通し動画が「事前学習用の教材」だとすれば、手順書型は「作業中に参照できる実務ツール」です。この構造の違いが、「見られるかどうか」を根本から変えます。
手順書型では、動画が作業ステップ単位に分割されています。作業者は目次からすぐに該当ステップへアクセスでき、「10分の動画から30秒を探す」必要がなくなります。
各手順に「作業内容」「作業のコツ」「注意事項」「安全上の重要事項」といった入力フォーマットが用意されていれば、動画では伝えきれなかった判断基準やノウハウを体系的に整理できます。作成者の属人的なセンスに依存せず、必要な情報がもれなく記載される仕組みです。
手順書型の中でも、スキルマップ機能が同一製品内に統合されていれば、「どのスキルが足りないか」→「該当する手順書で学ぶ」→「理解度をチェックする」→「スキル評価に反映する」という教育のサイクルが1つのツールで完結します。他のツールでは手順書とスキル管理が別製品になっているケースも多く、運用が分断されがちです。
手順書型のメリットはわかっても、「1本の動画を手順毎に分割して整理する作業」が大変そうに感じるかもしれません。確かに手作業で行えば、1本のマニュアル作成に数時間かかることもあります。
しかし近年では、AIが動画を自動で手順分割する技術が登場しています。通し動画を撮影してアップロードするだけで、AIが画像解析と音声認識をもとに手順毎に分割し、各ステップのタイトルや説明文まで自動生成します。
実際に、こうしたAI手順分割を活用した企業では、動画マニュアルの作成時間を80〜90%削減した事例も報告されています。「撮影してアップロードするだけ」で、現場で実際に見られる手順書型マニュアルが完成する時代になりました。
動画・AR手順書システム「Dive」は、AI自動手順分割やスキルマップ連携を備えた手順書型のマニュアルツールです。無料プランから利用でき、手順書数やストレージ容量は無制限。まずは1本の動画で、通し動画との違いを体験してみてください。
動画が「見られない」を解決!現場作業特化型の動画・AR手順書システム「Dive」
参考文献
※1 経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2024年版ものづくり白書」(2024年5月公開)
※2 株式会社CT「マニュアルの活用実態に関する調査」(2022年6月、マニュアル作成・整備担当者100名対象)