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動画マニュアル作成までできる作業分析ソフト5選——「分析して終わり」を現場定着に変える選び方

作成者: Diveカスタマーサクセス|2026/06/07 21:44:14

「作業分析ソフトを入れて、動作のムダもボトルネックも数値で見える化できた。改善案も出た。それなのに、現場の作業がなかなか変わらない」——製造現場の改善担当者から、こうした声をよく聞きます。分析資料は立派にできあがるのに、肝心の作業者の動きが標準作業に揃わない、定着しない、というのが正直な実感ではないでしょうか。

これはしばしば「現場の意識が低い」「教育が足りない」といった運用や人の問題として語られます。しかし本質はそこではありません。多くの作業分析ソフトは「オフィスで分析して見える化する」ところに最適化された道具であり、その先の「現場の作業者が、作業中に手元で見て、自分で再現できる」までは設計の射程に入っていないのです。

本記事では、まず「なぜ作業分析だけでは現場が変わらないのか」を構造で解き明かしたうえで、動画マニュアル作成まで対応する作業分析ソフトを5つ、機能レベルでフェアに比較します。そのうえで、作業分析(標準時間・要素分解・改善提案)から現場での定着までを1つのツールで一気通貫できる動画・AR手順書「Dive」の立ち位置を解説します。

 

分析した「最適な作業」を、現場で本当に再現させる。動画・AR手順書システム「Dive」

 

 

なぜ「作業分析」だけでは現場が変わらないのか

作業分析(インダストリアル・エンジニアリング、IE)は、作業を要素に分解し、動作のムダ・ムラ・ムリや時間のばらつきを定量的に洗い出す、製造現場の改善における王道の手法です※1。動画を1コマずつ送りながら要素を分割し、標準時間を策定し、改善前後を比較する——ここまでは、専用ソフトを使えば精緻にできるようになりました。

ところが、多くの現場で改善が止まるのはこの「分析の後」です。分析の成果物は、たいていPowerPointやExcelの分析資料・標準作業書として出力されます。これは改善担当者や管理者が会議室で読むためのドキュメントであり、ライン上で手を動かしている作業者が、作業中にスマートフォンで開いて参照するものではありません。つまり、「分析」と「現場での定着」の間に断絶があるのです。

分析して『あるべき作業』が定義できても、それが現場の作業者一人ひとりの手元に、再現可能な形で届かなければ、現場は変わりません。せっかく見つけた最適な動きが、紙の標準作業書やサーバの奥の分析ファイルに留まり、結局はベテランの背中を見て覚える従来のOJTに戻ってしまう——これが「分析して終わり」の正体です。

 

「分析」と「現場定着」をつなぐのは、現場で見られる動画手順書

なぜ分析資料だけでは現場の作業が変わらないのか。数字を出す前に、その原理を3つの観点から押さえておきます。これを腑に落とすと、ソフト選びの基準が変わります。

原理① 作業者は「分析資料」を読む文脈を持たない

タイムチャートや標準時間表は、改善を仕事にする人にとっては宝の山ですが、ライン上の作業者にとっては「自分が今どう動けばいいか」が一目で分からない抽象度の高い資料です。人は、自分の作業の文脈に直接マッピングできない情報を能動的には読みません。分析資料は「分析するための言語」で書かれており、「作業するための言語」に翻訳されていないのです。

原理② 標準作業の「意味」は、数値や線表には乗らない

なぜその順番なのか、どこで力を抜くのか、何を見て良否を判断するのか——熟練者の動きを支える暗黙知(コツ・判断基準・注意点)は、要素ごとの秒数やマンマシンチャートには表現しきれません。動作分析は「どこに時間がかかっているか」は精緻に示せても、「なぜベテランはそう動くのか」という意味の部分は、映像と言葉で補わなければ伝わりません。

原理③ 人は忘れる。定着は「一度の教育」ではなく「反復参照」で起きる

記憶は時間とともに減衰し、間隔を空けた反復によって定着する——これは認知科学の古典的な知見です。標準作業を一度の研修で完全に覚えさせる前提は、そもそも人の記憶の仕組みに反しています。作業の都度、手元で2秒で参照できる仕組みがあって初めて、新しい標準作業は身体に馴染んでいきます。

この3つを踏まえると、結論はシンプルです。分析で得た「最適な作業」は、現場の作業者が、作業中に、その場で見て再現できる動画手順書に変換されて初めて定着します。だからこそ、作業分析ソフトを選ぶときは「分析の精度」だけでなく、「分析の成果を、現場で見られる手順書まで運べるか」を見るべきなのです。

 

動画マニュアル作成まで対応する作業分析ソフト5選

ここからは、作業分析に加えて動画マニュアル・手順書の作成まで視野に入る代表的なソフトを5つ紹介します。それぞれ出自と得意領域が異なるため、優劣ではなく「どこに強いか」という視点で読んでください。

① OTRS10(ブロードリーフ)

IEに基づく動作分析・時間分析の定番ソフト。映像をコマ送りしながらマウス操作で作業を要素分割でき(要素分割の一部はAIによる自動化に対応)、レイティング(速度評価)機能で「誰が作業しても無理のない標準時間」を策定できます。改善前後の動画を同時に並べる再生シミュレーションも可能です※2。標準時間の作り込みの深さでは群を抜いており、IE分析を本格的に回したい現場の第一候補です。動画マニュアル作成機能も備えますが、主軸はあくまで分析・標準化です。

② タイムプリズム(日本生工技研)

ビデオ映像をPC上で再生しながら作業分析を行い、複数映像の同期比較で作業スピードや手順の差を可視化するソフト。特徴は、分析結果をPowerPoint形式の動画マニュアルとして出力できる点で、作業要素ごとにページが作られ、名称・時間値・静止画・映像を貼り付けられます。作業編成(平準化シミュレーション)や標準作業組合せ表のExcel出力にも対応します※3。分析からIEの標準作業資料化までを1本で完結させたい現場に向きます。

③ EduMultiPlayer(創造デザイン)

最大16画面の映像を同時に比較・分析できる、多画面対応の技能伝承・作業分析ソフト。熟練者と新人の動作を重ねて再生し、工程ごとの時間・標準偏差・評価値を自動集計・グラフ化します。最適な動作の組み合わせから標準作業動画を生成し、Word/Excel/PowerPoint形式の手順書を自動生成する機能も備えます※4。「熟練者と新人の差」の見える化と教育資料化に強みを持つツールです。

④ Ollo Factory(株式会社Ollo)

東京大学松尾研究室発のAIスタートアップが提供する、製造業向けの作業分析AI。ウェアラブルカメラやスマートフォンで撮影した作業動画をAIが解析し、手順書の自動作成・ムダ作業の抽出・ベテランと新人の動作比較・作業ミスのリアルタイム異常検知までを行います。スズキ(相良工場・エンジン工場)や日産自動車など大手自動車メーカーへの導入実績を持ち、固定カメラでは死角の多い組立工程でも、ウェアラブル映像で高精度に分析できるのが特徴です※5。AIによる作業分析と自動化に振り切った、分析エンジンの強さが光るツールです。

⑤ Dive(エピソテック)

動画・AR手順書システム「Dive」は、ここまでの4製品とは構造が異なり、作業分析(IE時間分析)と、その成果の現場展開を1つのツールで両立します。撮影した作業動画をAIが作業要素に自動分割し、要素ごとに正味作業・付随作業・ムダの3分類を割り当て、要素ごとの補正速度(レイティング)から標準時間を算出します(標準時間=測定時間÷補正速度)。さらに、ムダのカット・要素の組み換え(作業編成)ECRS(排除・結合・並び替え・簡素化)の観点によるAI改善提案改善前後の2段同時比較による短縮時間・ムダ率の可視化までを行えます。

そして他社と決定的に違うのが、分析して整えた最適作業を、そのまま「現場の作業者がスマートフォン・タブレット・スマートグラスで、作業中にその場で開ける動画・AR手順書」として展開できる点です。各ステップは独立したQR・URLを持ち、現場で2秒で該当箇所を呼び出せます。作業分析から現場での自己解決までを、ツールを乗り換えずに一気通貫でつなげます。

一方で正直にお伝えすると、Diveの時間分析は1作業(1動画)単位を主眼に置いており、マンマシンチャートや、複数ラインをまたいだライン編成・平準化、タクト設計といったIEの一部の高度なライン設計機能は、OTRS10やタイムプリズムのような分析専用ソフトに一日の長があります。

 

5ソフト比較表

作業分析の各機能から現場展開まで、軸ごとに並べると設計思想の違いがはっきりします。◎=特に強い/○=対応/△=限定的・付帯的、という目安で読んでください。

OTRS10 タイムプリズム EduMultiPlayer Ollo Factory Dive
得意領域 動作・時間分析/標準時間 作業分析/標準作業資料化 多画面比較/技能伝承 AI作業分析/手順書自動生成 作業分析+現場定着の両立
要素分解(作業の分割) ◎(AI自動+手動調整)
標準時間の算出
レイティング(速度評価) ○(要素毎の補正速度)
組み換え・作業編成 ○(ドラッグで組替)
AI改善提案 ○(ムダ抽出) ◎(ECRS観点)
before/after比較 ○(2段同時再生)
成果物の形 分析資料・標準作業書 PPT手順資料 手順書(Word/Excel/PPT) 分析データ・手順書(自動生成) 現場で見る動画・AR手順書
現場での参照(作業中の閲覧)
マルチデバイス・オフライン △(PC中心) △(PC中心) △(PC中心) △(PC中心) ◎(スマホ/タブレット/グラス/オフライン)

 

この表で浮かび上がるのは、4製品はいずれも「分析して資料化する」ところで完結するのに対し、Diveだけが「作業分析」と「現場での参照・定着」の両方を1つのツール内に持っているという構図です。標準時間やレイティング、組み換えといったIE分析の最深部は、依然OTRS10やタイムプリズムがリードします。ただし、要素分解から標準時間の算出、ECRS観点の改善提案、改善前後の比較までを行ったうえで、その成果をそのまま現場の手元へ運んで作業中に再現させる——この一気通貫を、ツールを乗り換えずに実現できるのはDiveの構造的な強みです。

 

失敗しない選び方——目的を1つに絞る

5つを並べると目移りしますが、選定はシンプルに、「自社のいちばんの目的はどちらか」を1つに絞ることから始めます。

複数ラインのライン編成・タクト設計まで作り込むなら、IE分析専用ソフト

新ラインの工程設計、マンマシンチャート、複数ラインをまたいだ平準化やタクト設計——ライン全体の作り込みそのものが目的なら、OTRS10やタイムプリズムのような分析専用ソフトが最適です。複数作業を統合した精緻なライン設計の深さは、これらの専用ソフトに一日の長があります。

1作業の分析から現場定着までを1つで完結したいなら、分析と現場展開を両立するソフト

一方、「1作業を分析して標準作業を定義し、新人がベテランに聞かずに自分でそれを再現できるようにしたい」「教えるベテランの負担を減らしたい」が主目的なら、分析した結果を、現場の手元で参照できる手順書まで同じツールで運べるかが決め手になります。ここで効くのが、AIによる要素分解・標準時間算出・改善提案と、現場の作業者が作業中に開ける動画・AR手順書を1つに兼ね備えた設計です。

多くの現場で実際に詰まっているのは前者ではなく後者です。分析はできたが、その先の現場定着が進まない——もしそうであれば、追加すべきは「もっと深い分析」ではなく、「分析を現場へ運ぶ仕組み」です。

 

Diveなら「分析→現場定着」が一気通貫

動画・AR手順書システム「Dive」は、作業分析(IE時間分析)から現場定着までを1つのツールでつなぎます。具体的には、以下の機能で「分析」と「現場展開」の両側をカバーします。

  • AIによる要素分解:撮影した作業動画をAIが作業要素に自動分割。区切りはタイムライン上で手動微調整でき、要素ごとに正味作業/付随作業/ムダの3分類とムダ率を可視化する
  • 標準時間の算出とレイティング:要素ごとに補正速度(速度評価)を設定し、「測定時間÷補正速度」で標準時間を算出。改善前後の標準時間を数値で比較できる
  • ムダのカット・組み換え(作業編成):ムダな要素をカットし、要素をドラッグで並べ替えて、最適化した標準作業の動画を組み立てる
  • ECRS観点のAI改善提案:AIが動画から、排除・結合・並び替え・簡素化(および安全・品質リスク)の観点で改善提案を抽出し、対象の手順を指し示す
  • 改善前後の2段同時比較:改善前と改善後の作業動画を同期再生し、短縮時間・ムダ率の改善を視覚的に確認できる
  • そのまま現場へ展開:整えた手順書は、各ステップ独立のQR・URLから、スマートフォン・タブレット・スマートグラス(AR)で作業中に参照可能。通信が不安定な現場でも専用アプリ不要のブラウザで開ける
  • スキルマップ連動:誰がどのステップを習得したかを個人単位で記録し、教育の進捗を可視化する

もちろん、Diveの時間分析は1作業(1動画)単位が主眼で、複数ラインをまたいだライン編成やマンマシンチャート、タクト設計といった領域は専用ソフトが上です。とはいえ、1作業の分析から現場での定着までを、ツールを乗り換えずに完結できるのはDiveならではの形です。専用ソフトでライン全体を設計し、その標準作業をDiveで現場へ展開・定着させる、という組み合わせも有効です。

なお、Diveに取り込んだ作業動画が外部のAIモデルの学習に使われることはありません。また、解約後もデータは残り、いつでも有償プランを再開できます。AIを活用した動画マニュアル作成ツールの比較もあわせてご覧ください。

 

まとめ

  • 作業分析ソフトを入れても現場が変わらない原因は、人の問題ではなく「分析」と「現場定着」の分断。多くのソフトは分析・見える化に最適化され、現場の手元で再現させるところまでは設計の射程に入っていない
  • 分析資料だけで現場が変わらないのには原理がある:①作業者は分析資料を読む文脈を持たない ②標準作業の「意味」は数値・線表に乗らない ③定着は一度の教育でなく反復参照で起きる
  • 動画マニュアル作成まで対応する作業分析ソフト5選:OTRS10/タイムプリズム/EduMultiPlayer/Ollo Factory/Dive。それぞれ得意領域が異なる
  • 4製品は「分析して資料化する」で完結するが、目的の絞り方で選ぶ:複数ラインのライン編成・タクト設計まで作り込むならIE分析専用ソフト、1作業の分析から現場定着・自己解決まで1つで完結させたいなら分析と現場展開を両立するソフト
  • Diveは、要素分解・標準時間算出・レイティング・組み換え・ECRS改善提案・before/after比較といった作業分析と、現場で作業中に開ける動画・AR手順書を1つのツールで両立し、作業分析から現場定着までを一気通貫でつなぐ。複数ラインのライン設計は専用ソフトが上だが、1作業の分析〜現場展開を乗り換えなしで完結できるのが特長

「作業分析はできた。でも現場が変わらない」は、分析の精度の問題ではなく、分析を現場へ運ぶ仕組みの不在として捉え直すと打ち手が変わります。次に足すべきは、もっと深い分析ではなく、現場の手元で見られる手順書かもしれません。

 

分析した最適作業を、現場で本当に再現させる。動画・AR手順書システム「Dive」

 

参考文献
※1 Mitsuri Media「IE手法【動作分析・作業分析編】製造業の現場改善」(2024)
※2 株式会社ブロードリーフ「動作分析・標準作業の策定のための多彩な分析機能を搭載したOTRS10」(2025)
※3 株式会社エム・エス・アイ「TimePrism|タイムプリズム 製造業様向けソリューション」(2025)
※4 創造デザイン「技術・技能伝承・作業分析ソフト EduMultiPlayer」(2025)
※5 株式会社Ollo「製造業向け作業分析AI『Ollo Factory』」(2025)