スマートグラスの活用事例【建設業編】
(作成日:2025/01/31)最新技術で建設現場のDXを促進したい方必見!

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スマートグラスとは、現実世界とデジタル情報を重ね合わせることを目的としたデバイスです。一般的には拡張現実(AR)やミックスドリアリティ(MR)のために使用されます。
現実の視界に、ナビゲーション情報や通知、作業手順などの追加情報を表示し、ユーザーがリアルな環境とやり取りしながら情報を確認できます。
よく比較されるVRクラスは、完全に仮想の環境を生成し、ユーザーをその中に没入させるためのデバイスです。仮想現実(VR)の体験を提供することが主な目的です。
現実世界を遮断し、全方位の仮想世界を視覚的に提示するため、ゲーム、シミュレーション、トレーニングなどに利用されます。
どちらも視覚情報を提供するためのデバイスですが、使用目的や技術的な特徴にこれらの違いがあります。
今回は、人の手が必要とされる現場作業でより活躍が望めるスマートグラス(ARグラス)について解説していきます。
第二弾は、
【建設業でのスマートグラス活用事例5選】
をご紹介します。
3.建設業でのスマートグラス活用事例5選
【①】進捗状況の可視化と共有

特に設計者、施工者、クライアントなど、関係者が多く業務効率が悪くなりがちな建設現場では、リアルタイムで同じ空間を共有しながら、現場状況の把握や意見交換が可能になることで、遠隔地からでも同じ視点で現場の状況を確認できるので、意思決定の迅速化につながります。
例えば、施工者がスマートグラスを装着することで、現場の映像をリアルタイムで関係者に共有し、設計者がオフィスから直接指示を出すことが可能になります。これにより、施工の誤りなどを防ぎ、作業の効率を大幅に向上させることができます。
また、クライアントもスマートグラスを通じて現場の進捗をリアルタイムで確認できるため、工事の透明性が向上し、不要な問い合わせや確認作業の手間を削減することができます。
さらに、スマートグラスのAR機能を活用すれば、建設中の構造物に対して設計データを重ねて表示することができ、完成形のイメージを関係者全員が直感的に理解できます。
これにより、「設計図面と実際の施工にズレがある」といった問題が発生した際にも、迅速な修正対応が可能になります。
このように、スマートグラスの導入によって、建設現場の進捗状況を可視化し、関係者間でスムーズに情報を共有することで、業務効率の改善、安全性の向上、コスト削減といった多くのメリットが得られます。

スマートグラスを活用することで、設計図や3Dモデルを現場に投影し、実際の空間に重ね合わせて確認することが可能です。
これにより、現場作業員は設計内容をより正確に把握することができ、施工ミスや認識のズレを減らすことができます。
また、AR技術を用いてシミュレーションを行うことで、施工前に問題点を洗い出すことができるので、事前に修正、改善することで工期の短縮やコスト削減に繋がります。
現状の課題として、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の導入率が企業の規模や業種によって差があることが挙げられます。
特に大規模な総合設計事務所や総合建設業では導入が進んでいる一方で、小規模な専門設計事務所や専門工事会社では導入が遅れている傾向にあります。
そのため、現場でスタッフがBIMデータを十分に活用できないケースが少なくありません。
建物の企画・設計、施工、維持管理など、一連のプロセスを通して活用することができ、建材の幅や高さ、素材、組み立てる工程や時間、設備機器の品番やメーカー、価格など、膨大な情報が盛り込まれているため、図面作成の省力化や、建物の維持管理・運用段階におけるデータベース作成などがスムーズに運用できるのがBIMモデルの利点です。
一方で、建築BIMソフトウエアは機能や種類が多く習熟するまでの業務負担が大きいことや、これまで2次元データのCADで行えていた業務から、BIMを導入する必要性やメリットを理解してもらえないといった現状が、普及を妨げています。
そのため、AR/VRやAIとの連携によって、BIMデータを直感的にリアルタイムで観覧、編集できることの利便性が理解、評価されることが、普及の足掛かりのカギとなる。

建設現場では、転落や倒壊、資材の落下、重機との誤接触、感電、粉じんなどの有害物質の吸入、熱中症など多くの危険やリスクと常に隣り合わせで作業が行われています。
そのため、適切な安全対策やヘルメットなど保護具の使用が事故防止に不可欠な存在となっています。
スマートグラスはその安全対策の一環として、危険箇所の可視化、安全手順、ルートの提示、作業員の状況把握などが可能になります。
例として、スマートグラスに接続したAIカメラやセンサーが作業員の周囲環境を分析し、危険エリアでのリスクや安全違反(ヘルメット未着用、高所作業時の不安定な姿勢)などをリアルタイムで検知、即座アラートを表示することで事故を未然に防止することができます。
また、作業員の視線映像を記録、分析することで、より再現性の高い危険エリアの特定とアラートの設定もできます。

進捗状況の記録もスマートグラスを通じて自動的にデジタル化され、施工履歴が正確に残せるため、引継ぎ業務の効率化につながります。
従来の紙ベースや写真による記録と異なり、音声メモや動画での記録も可能なため、より詳細な情報を後の工程に活かすことができます。
AR技術を用いて現場を記録しておけば、後工程作業や点検時に、過去の作業ログや工程写真、図面、検査履歴などの観覧もより瞬時に行うことが可能です。
リアルタイムでデータの履歴と比較することによって、効率的に作業を進めることができると同時に、小さな変化の見落としなども少なくなることが期待できます。
特に、設計変更や修正があった内容、工程内で起きた施工上の問題点と対応策などを記録しておくことで、後工程の作業員が引継ぎやすい環境を作ることができます。
また、過去のデータを参照し壁の内部に隠れた配線や配管の位置を正確に把握できることで、リフォームや改修工事の際も、安全かつ正確な作業が可能になります。
【⑤】リアルタイムでの遠隔支援と教育

建設現場では、熟練者の減少や人手不足が深刻化しており、従来のように二人一組で作業要員を配置することが難しくなっています。その解決策として、スマートグラスを活用したリアルタイム遠隔支援が注目されています。
作業員がスマートグラスを着用することで、現場の状況を映像として遠隔地の熟練者に共有し、適切な指示を受けながら作業を進めることができ、熟練者が物理的に現場に行かなくても、複数の現場を並行して支援できるため、技術者のスキルをより効率的に活用できるようになります。
特に、設備保全や点検作業、メンテナンスなどの業務において、リアルタイムでのアドバイスが可能となり、問題解決のスピードが大幅に向上します。
例えば、配管の漏れや電気設備の異常などが発生した際、現場の作業員がスマートグラスを通じて専門家とつながり、即座に原因を特定し適切な対処を行うことができます。
これにより、作業の効率化だけでなく、人的ミスの削減や安全性の向上も期待できます。
さらに、AR技術を用いて、実際の作業環境を仮想的に再現した安全教育が可能になります。例えば、高所作業や重機操作などの危険な作業を「ARを用いたシミュレーション」で体験することで、作業員が実際の現場に入る前にリスクを把握し、適切な対処法を学ぶことができます。
従来の座学中心の研修とは異なり、視覚的・体験的な学習ができるため、安全対策の理解度が向上し、事故防止につながります。
また、新人や経験の浅い作業員も、スマートグラスを活用することで、熟練者の作業手順やノウハウをリアルタイムで学ぶことができ、技術の継承にも役立ちます。録画機能を活用すれば、自らの作業履歴を振り返りながら復習することも可能なため、教育の効率化が図れます。
4.まとめ
今回は"スマートグラスの活用事例【建設業編】"をご紹介しました。スマートグラスは直感的に作業を視覚化し、現実世界を拡張することのできる優れたデバイスです。
特に、スマートグラスを活用した遠隔支援や教育シミュレーション、現場の記録、進捗共有、資料の参照などのソリューションは、建設現場の生産性向上、安全対策の強化、人材不足の解消といった課題を解決する有効な手段となります。
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