AIと変える私たちの未来 【コンテンツ制作編】
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目次
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1.最新AIモデルを活用した技術革新の例4選
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2.「AI×動画コンテンツ」がさらに注目されている?
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3.身近で活躍する最新AI「SAM2」の技術【コンテンツ制作編】
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画像、動画分割の仕組み
- AR/VRのリアルタイム処理
- CGグラフィック/アニメーションの制作
4.まとめ -
1.最新AIモデルを活用した技術革新の例4選
- コンテンツ制作 ・・・・ AIと変える私たちの未来 【コンテンツ制作編】
- 医療画像解析
- 自動運転
- セキュリティとモニタリング
2.「AI×動画コンテンツ」がさらに注目されている?
動画コンテンツの需要が急速に高まる中で、AIの活躍が動画制作の分野においても注目されています。
YouTubeやInstagram、TikTokといったプラットフォームの成長に伴い、動画の制作スピードとクオリティが重要視される時代となり、AIがどのように動画制作に変革をもたらしているのか、最新のトレンドや技術を解説していきます。
中でも、特に注目されているのが「自動編集機能」です。最新のAIアルゴリズムを活用した自動編集ツールは、長時間の映像から重要なシーンを瞬時に選別し、最適な編集を行うことが可能です。
META SAM2(Segment Anything Model 2)はその代表とされるAIモデルの一つです。SAM2は、画像内のオブジェクトを自動的に検出・認識しセグメンテーションする能力を持ったAIモデルです。
セグメンテーションとは、画像の中から特定のオブジェクトや領域をピンポイントで切り出す技術のことで、物体認識やシーン解析など多くの分野で技術革新をもたらしています。
今回はそんな”身近で活躍する最新AI「SAM2」の技術”を詳しく説明し【コンテンツ制作】に焦点を当てて解説していきます。
3.身近で活躍する最新AI「SAM2」の技術【コンテンツ制作編】
【①】画像、動画分割の仕組み
文字通りSAM2は「何でもセグメント化する」をコンセプトとしているため、従来のモデルのように特定のトレーニングデータに依存せず、あらゆる種類の画像やオブジェクトに対してより柔軟に対応できるようになりました。
SAM2の最大の特徴は、その「汎用性」の高さにあります。従来のセグメンテーションモデルは、特定のデータセットに特化して訓練されることが多く、異なる状況や新しいオブジェクトには適応しづらいという弱みを持っいました。
SAM2では ”自己教師あり学習”SSL(Self-supervised Learning)を活用しており、ラベル付きデータに依存せずに高精度なセグメンテーションを実現しているため、より多様な画像に対応が可能になりました。
前述したとおりSAM2は、画像内のオブジェクトを自動的に検出・セグメント化する能力を持ったAIモデルです。セグメンテーションとは、画像の中から特定のオブジェクトや領域をピンポイントで切り出す技術のことで、物体認識やシーン解析など多くの分野で重要な役割を担っています。
主に以下の仕組みを用いることで、そのセグメント化する能力を唯一無二の万能なAIモデルに底上げしています。
❶プロンプタブルダブルビジュアルセグメンテーション
「プロンプタブルダブルビジュアルセグメンテーション」は、SAM2の中核の技術であり、特定のユーザーインプット(プロンプト)を利用して、画像内のオブジェクトを正確にセグメントする機能です。
具体的には、ユーザーが画像上でクリックやボックス描画などの簡単な操作をすることで、AIが画像内の目的のオブジェクトを識別し、詳細にその領域をセグメントします。
この「ダブルビジュアルセグメンテーション」という名称は、画像からの情報抽出が二重に行われる点からきています。まず、画像全体を大まかに認識し、その後、細かい部分のセグメント処理が行われるため、高精度かつ柔軟なオブジェクト認識が可能になっています。
❷Hiera(ヒエラ)
「Hiera」は、SAM2における階層的なニューラルネットワークアーキテクチャの一部で、画像の異なる解像度やスケールに対応するためのモデルです。
具体的には、低解像度で画像全体を広範囲に解析しながら、必要に応じて高解像度の部分にズームインして詳細な情報を取得する仕組みです。この構造により、画像全体の文脈を把握しつつ、重要な部分を正確にセグメント化します。
Hieraは、複数のレイヤーやスケールで画像を解析することで、複雑なシーンや小さなオブジェクトのセグメントに適応できる強力な機能です。
❸ストリーミングアーキテクチャ
「ストリーミングアーキテクチャ」は、SAM2のリアルタイム処理能力を支える技術です。このアーキテクチャにより、SAM2は連続するデータ(画像や映像)をリアルタイムで解析し、即座にセグメンテーション結果を提供することが可能です。
ストリーミングアーキテクチャの強みは、動画のような動的データや、連続して入力されるフレームデータに対しても、高速かつ精度を維持した処理を行う点です。
❹メモリエンコーダー
「メモリエンコーダー」は、SAM2が過去のフレームやセグメント結果を記憶し、それを活用して現在のフレームのセグメンテーションを改善する技術です。これにより、単一のフレームだけでなく、過去の情報も統合することで、より一貫性のあるセグメント結果を得ることができます。
このエンコーダーは、特に映像解析や連続画像処理で威力を発揮し、シーンが変化した場合でも、前後の文脈を考慮してオブジェクトのセグメンテーションを正確に行うことができます。これにより、単発の画像解析に比べて精度が向上します。
❺メモリバンク
「メモリバンク」は、過去に処理された画像やセグメント情報を保存し、後続のセグメント処理に役立てるためのデータストレージです。メモリバンクは、SAM2が長期間にわたって連続したデータを処理する際に、その情報を効率的に活用できるようにしています。
例えば、過去のフレームでセグメントされたオブジェクトの情報をメモリバンクに蓄積することで、現在のフレームのセグメント精度を向上させたり、同じオブジェクトを異なるシーンで再度検出する際に再利用したりすることが可能です。
この技術は、特に連続データや映像解析で一貫した結果を提供するために重要な役割を果たします。
❻マスクデコーダー
「マスクデコーダー」は、SAM2がセグメント結果を視覚的に表現するために使用される重要なコンポーネントです。メモリエンコーダーや他のモデルコンポーネントから取得した情報を元に、マスクデコーダーが実際に画像の各領域をマスクとして分離し、どの部分がどのオブジェクトに対応しているのかを解析します。
マスクデコーダーは、非常に細かいピクセルレベルでのセグメンテーションを実現し、複雑なシーンや重なり合うオブジェクトの中でも、個々の要素を正確に区別します。
この技術により、最終的なセグメンテーション結果が視覚的に確認でき、ユーザーが簡単に目的の情報を抽出できるようになっています。
より詳しい内容は以下ページより確認できます。
引用元タイトル:SAM 2: Segment Anything in Images and Videos
URL:https://ai.meta.com/research/publications/sam-2-segment-anything-in-images-and-videos/
所属:Meta FAIR
著者:Nikhila Ravi、Valentin Gabeur、Yuan-Ting Hu、Ronghang Hu、 Chaitanya Ryali、Tengyu Ma、Haitham Khedr、Roman Rädle、Chloe Rolland、Laura Gustafson、Eric Mintun、Junting Pan、Kalyan Vasudev Al wala、Nicolas Carion、Chao-Yuan Wu、Ross Girshick、Piotr Dollár、 Christoph Feichtenhofer
SAM2は、上記の6つの革新的な技術によって、より高精度で汎用性の高い画像セグメンテーションを実現しています。プロンプタブルダブルビジュアルセグメンテーションがユーザー操作を反映した柔軟なセグメント化を実現し、Hieraが階層的な画像解析を可能にします。
そして、ストリーミングアーキテクチャによってリアルタイムで処理を行い、メモリエンコーダーとメモリバンクが過去の情報を活用して精度を向上させます。最後に、マスクデコーダーが最終的な結果を可視化し、ユーザーへの明確なフィードバック提供を実現しています。
これにより、膨大なコストをかけてデータをアノテーションする必要がなくなり、実世界でより多様な画像に対応可能です。
ただし、長時間の動画や、複雑なシーンでの追跡にはまだ課題があり、特にシーンが急に変わったり、物体が長時間隠れたりすると再認識が難しくなることが課題となっています。
【②】AR/VRのリアルタイム処理
「画像処理速度」も大幅に向上しており、SAM2はリアルタイムでもセグメンテーションを行えるようになっています。これにより、動画の解析の応用でインタラクティブなアプリケーションにも適用しやすくなりました。
SAM2 の高速処理により、現実世界の映像に仮想オブジェクトをリアルタイムに正確に配置する AR アプリケーションでは、ユーザーがカメラを移動してもすぐにオブジェクトを正確に追跡し、より正確に表示させることが可能になりました。これにより、よりインタラクティブで没入感のあるAR体験が実現可能になりました。
VR空間内でユーザーの動作に応じて環境を変化させる場合にも、SAM2の高速なセグメンテーション処理が役に立ちます。
SAM2は、前述したとおり多様な種類のデータに対応できる柔軟性を持っているため、ARおよびVR制作でのマルチモーダルなコンテンツとの統合も強化されます。
テキストや音声、画像、動画、センサ情報、3Dモデル、ライブデータなど、多様なデータ形式を統合して、効率的にセグメンテーション処理を確立し、AR/VRコンテンツの中で動的に変化するシーンやインタラクティブなストーリーテリングにも対が可能です。
そのため、ユーザーの行動によって場面やシーンを瞬時に分析し現実と仮想データを組み合わせたより複雑なAR/VR体験をを提供することができます。
SAM2のセグメンテーション能力の進化により、AR/VR制作における物体や背景の処理がより自動化に近づくため、3Dオブジェクトを生成するための素材を効率的に抽出することができます。そのため3Dモデル作成の初期段階が簡素化され手作業が減ることにより、全体の制作プロセスを効率化することができます。
SAM2は、ARやVR制作において、前モデルよりも高精度で迅速なセグメンテーション技術を提供し、リアルタイムでのインタラクションや複雑なシーンの自動化を可能にしました。 これにより、制作効率が向上し、より多様で魅力的なAR/VRコンテンツの制作が容易になったと言えます。
AIの進化によって、従来は多くの人手と時間を必要としていた3DアニメーションやCG制作の効率も大幅に向上することが見込めます。
4.まとめ
今回は"身近で活躍する最新AI「SAM2」の技術【コンテンツ制作編】"をご紹介しました。SAM2は画像内のオブジェクトを自動的に検出・認識しセグメンテーションする能力を持った優れたAIモデルです。
日常に動画や映像技術があふれている今、SAM2の活躍が期待できる領域はとても多岐にわたります。
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