Dive機能紹介

動画マニュアル作成までできる作業分析ソフト5選——分析・資料化・現場教育まで、それぞれの強みと選び方

作業分析ソフトは、撮影した作業動画の分析から標準時間の可視化、手順書・教育資料の作成までできるところまで進化しました。代表的な作業分析ソフト5選を、それぞれの強みを引かうし、整えた標準作業を「現場の作業者が作業中に手元で見て自分で再現できる」動画・AR手順書として展開できる「Dive」についても紹介します。

製造現場の改善において、作業分析(インダストリアル・エンジニアリング、IE)は王道の手法です。そして近年、作業分析ソフトは大きく進化しました。撮影した作業動画を分析し、動作のムダや時間のばらつきを見える化し、標準作業を整え、手順書や教育資料として現場の教育に使えるところまで、多くのツールで一気にできるようになっています。

本記事では、作業分析に加えて動画マニュアル・手順書の作成まで対応する代表的なソフトを5つ、それぞれの出自と強みに沿ってフェアに紹介します。どれも現場改善を力強く支える優れたツールです。そのうえで、分析して整えた標準作業を、現場の作業者が作業中に手元のスマートフォン・タブレット・スマートグラスで見て、自分で再現できる動画・AR手順書という形で展開できる「Dive」も紹介します。

 

分析して整えた最適な作業を、現場で見て再現できる教育へ。動画・AR手順書システム「Dive」

 

 

作業分析ソフトは「分析→資料化→教育」まで一気通貫の時代へ

かつて作業分析は、ストップウォッチと紙の観測用紙で行う、熟練の改善担当者の職人技でした。それが今では、専用ソフトを使って映像を1コマずつ送りながら作業を要素に分解し、標準時間を策定し、改善前後を比較するところまで、精緻かつ効率的にできるようになっています。

さらに各ソフトは、分析の成果を標準作業書・動画マニュアル・教育用の手順書として出力し、技能伝承や新人教育に活用するところまでをカバーします。つまり、いまの作業分析ソフトは「分析して見える化する」だけの道具ではなく、「撮る→分析する→標準作業にまとめる→現場の教育に使う」までを支える基盤へと広がっているのです。

その前提に立つと、ソフト選びの問いは「どれが分析できるか」ではなく、「自社の目的に対して、どの強みを持つツールが合うか」に変わります。標準時間の作り込みの深さ、多画面での技能比較、AIによる自動化、そして整えた標準作業を現場の手元でどう見せるか——製品ごとに得意は異なります。以下、5製品をその強みで見ていきます。

 

動画マニュアル作成まで対応する作業分析ソフト5選

ここからは、作業分析に加えて動画マニュアル・手順書の作成まで視野に入る代表的なソフトを5つ紹介します。優劣ではなく「どこに強いか」という視点で読んでください。

① OTRS10(ブロードリーフ)

IEに基づく動作分析・時間分析の定番ソフト。映像をコマ送りしながらマウス操作で作業を要素分割でき、レイティング(標準技能者の速度を100%とする速度評価)によって「誰が作業しても無理のない標準時間」を策定できます(標準作業時間=正味時間+余裕時間)。改善前後の2つの動画を同時に並べた比較再生に加え、山積み表によるライン編成・平準化(山崩し)やタクトタイム設定まで行え、分析結果はExcel・PDFの作業手順書やPowerPointの動画付き作業要領書として出力できます※2。標準時間の作り込みとライン編成の深さでは群を抜いており、IE分析を本格的に回したい現場の第一候補です。

② タイムプリズム(日本生工技研)

2009年の発売以来、国内外1,500社以上に導入されている作業分析・改善ツール。ビデオ映像をPC上で自在に再生しながら作業分析を行い、複数映像の同期再生で作業スピードや手順の差をはっきり可視化します。最大50工程の作業要素をドラッグで移動でき、標準作業組合せ表の作成や、平準化の編成シミュレーションにも対応します。分析結果は作業要素ごとの映像とともにPowerPoint形式の動画マニュアルとして自動出力でき、ムダ取り再生による改善前後比較も可能です※3。分析からIEの標準作業資料化・ライン平準化までを1本で完結させたい現場に向きます。

③ EduMultiPlayer(創造デザイン)

最大16画面の映像を同時に比較・分析できる、多画面対応の技能伝承・作業分析ソフト。熟練者と新人の動作を重ねて再生する透過比較で技術の差を見える化し、工程ごとの作業時間・標準偏差・評価値を集計してグラフ表示します。工程分割した映像から標準作業動画を生成でき、Word/Excel/PowerPoint形式の手順書を自動生成する機能も備えます※4。「熟練者と新人の差」の見える化と教育資料化に強みを持つツールです。

④ Ollo Factory(株式会社Ollo)

東京大学松尾研究室発のAIスタートアップが提供する、製造業向けの作業分析AI。ウェアラブルカメラやスマートフォンで撮影した作業動画をアップロードするだけでAIが要素ごとに自動分割・解析し、動画付き手順書(マニュアル)の自動作成(各作業時間をガントチャートで可視化)、ムダ作業の抽出(正味作業・付帯作業・手待ち・ムダの自動分類)、ベテランと新人の動作比較によるばらつき・遅れ要因の特定、IE手法を学習したAIによる改善案提案(動作のムダ・人間工学・レイアウト・5Sの観点)までを自動で行います。さらに、作業を常時監視してミスをリアルタイムに検知する機能(Alert)も備えます。スズキ・日産自動車をはじめ国内外50拠点以上の製造現場に導入され、固定カメラでは死角の多い自動車組立工程でも、ウェアラブルカメラ映像で高精度に分析できるのが特徴です※5。AIによる作業分析と自動化を得意とし、分析エンジンの強さが光るツールです。

⑤ Dive(エピソテック)

動画・AR手順書システム「Dive」も、作業分析(IE時間分析)に対応します。撮影した作業動画をAIが作業要素に自動分割し、要素ごとに正味作業・付随作業・ムダの3分類を割り当て、要素ごとの補正速度(レイティング)から標準時間を算出します(標準時間=測定時間÷補正速度)。さらに、ムダのカット・要素の組み換え(作業編成)ECRS(排除・結合・並び替え・簡素化)の観点によるAI改善提案改善前後の2段同時比較による短縮時間・ムダ率の可視化、さらにベテランと新人の作業比較までを行えます。

そのうえでDiveの特徴は、分析して整えた最適作業を、そのまま「現場の作業者がスマートフォン・タブレット・スマートグラスで、作業中にその場で開ける動画・AR手順書」として展開できる点にあります。各ステップは独立したQR・URLを持ち、現場で2秒で該当箇所を呼び出せます。作業分析から、現場の作業者が自分で再現できる教育までを、ツールを乗り換えずにつなげます。

 

5ソフト比較表

5製品はいずれも、分析から標準作業の資料化・教育活用までを支える優れたツールです。そのうえで、軸ごとに並べるとそれぞれの設計思想と強みの違いがはっきりします。◎=特に強い/○=対応、という目安で読んでください。

OTRS10 タイムプリズム EduMultiPlayer Ollo Factory Dive
得意領域(強み) 動作・時間分析/標準時間・ライン編成 作業分析/標準作業資料化・平準化 多画面比較/技能伝承・教育 AI作業分析/自動化・異常検知 作業分析/現場で見る動画・AR手順書
要素分解(作業の分割) ◎(AI自動+手動調整)
標準時間の算出 ○(要素毎の補正速度)
レイティング(速度評価) ○(要素毎の補正速度)
組み換え・作業編成 ○(ドラッグで組替)
AI改善提案・ムダ抽出 ◎(AI改善提案) ◎(ECRS観点)
改善前後の比較 ○(2段同時再生)
手順書・教育資料の作成 ◎(Excel/PPT動画マニュアル) ◎(PPT手順資料) ◎(Word/Excel/PPT) ◎(動画マニュアル自動生成) ◎(動画・AR手順書)
成果物・現場での使い方 分析資料・標準作業書/動画マニュアル PPT手順資料・標準作業組合せ表 手順書(Word/Excel/PPT)・標準作業動画 分析データ・動画付き手順書(自動生成) スマホ・タブレット・ARグラスで作業中に見る動画・AR手順書

 

この表で浮かび上がるのは、5製品がいずれも分析から標準作業の資料化・教育活用までを高い水準でカバーしていること、そのうえで強みの置きどころが製品ごとに違うことです。標準時間の作り込みはOTRS10やタイムプリズム、多画面での技能比較はEduMultiPlayer、AIによる自動化と異常検知はOllo Factoryがそれぞれリードします。Diveの置きどころは、整えた標準作業を、現場の作業者が作業中に手元で見て自分で再現できる動画・AR手順書として展開するところにあります。

 

失敗しない選び方——自社の目的に強みを合わせる

5つを並べると目移りしますが、選定はシンプルに、「自社のいちばんの目的は何か」を1つに絞り、その目的に強みが合うツールを選ぶことから始めます。

複数ラインのライン編成・タクト設計まで作り込むなら、IE分析専用ソフト

新ラインの工程設計、マンマシンチャート、複数ラインをまたいだ平準化やタクト設計——ライン全体の作り込みそのものが目的なら、OTRS10やタイムプリズムのような分析専用ソフトが最適です。複数作業を統合した精緻なライン設計の深さでは、これらの専用ソフトに一日の長があります。

熟練者と新人の差の見える化・技能伝承が目的なら、多画面比較に強いソフト

「ベテランと新人の動作の差をはっきり見せて技能を伝承したい」「複数人の作業を並べて比較したい」が主目的なら、多画面同時比較や透過比較に強いEduMultiPlayer、ウェアラブル映像によるAI比較に強いOllo Factoryが力を発揮します。

整えた標準作業を、現場の作業者が自分で再現できる教育にしたいなら、現場展開に強いソフト

「分析して標準作業を定義し、新人がベテランに毎回聞かなくても、作業中に自分でそれを再現できるようにしたい」「教えるベテランの負担を減らしたい」が主目的なら、整えた標準作業を現場の手元で参照できる手順書まで同じツールで運べるかが決め手になります。ここで効くのが、AIによる要素分解・標準時間算出・改善提案と、現場の作業者が作業中に開ける動画・AR手順書を1つに兼ね備えた設計です。

 

Diveだとこんな教育ができる

動画・AR手順書システム「Dive」は、作業分析(IE時間分析)から、現場の作業者が自分で再現できる教育までを1つのツールでつなぎます。具体的には、以下の機能で「分析」と「現場での教育」の両側をカバーします。

  • AIによる要素分解:撮影した作業動画をAIが作業要素に自動分割。区切りはタイムライン上で手動微調整でき、要素ごとに正味作業/付随作業/ムダの3分類とムダ率を可視化する
  • 標準時間の算出とレイティング:要素ごとに補正速度(速度評価)を設定し、「測定時間÷補正速度」で標準時間を算出。改善前後の標準時間を数値で比較できる
  • ムダのカット・組み換え(作業編成):ムダな要素をカットし、要素をドラッグで並べ替えて、最適化した標準作業の動画を組み立てる
  • ECRS観点のAI改善提案:AIが動画から、排除・結合・並び替え・簡素化(および安全・品質リスク)の観点で改善提案を抽出し、対象の手順を指し示す
  • 改善前後の2段同時比較:改善前と改善後の作業動画を同期再生し、短縮時間・ムダ率の改善を視覚的に確認できる
  • ベテランと新人の作業比較:熟練者と新人の作業動画を要素単位で並べて比較し、習熟度に応じた動作の差を可視化できる
  • そのまま現場で見られる教育へ:整えた手順書は、各ステップ独立のQR・URLから、スマートフォン・タブレット・スマートグラス(AR)で作業中に参照可能。通信が不安定な現場でも専用アプリ不要のブラウザで開ける
  • スキルマップ連動:誰がどのステップを習得したかを個人単位で記録し、教育の進捗を可視化する

ここで生まれるのは、「作業中に、その場で、知りたい手順を2秒で見て、自分で再現する」という教育のかたちです。ベテランの背中を見て覚える従来のOJTや、一度の研修で覚えきる前提に頼らず、作業の都度、手元で標準作業を確認できる。新人は先輩を都度つかまえなくても自己解決でき、ベテランは教える負担が減ります。

もちろん、Diveの時間分析は1作業(1動画)単位が主眼で、複数ラインをまたいだライン編成やマンマシンチャート、タクト設計といった領域は専用ソフトが上です。専用ソフトでライン全体を設計し、その標準作業をDiveで現場へ展開・教育する、という組み合わせも有効です。

なお、Diveに取り込んだ作業動画が外部のAIモデルの学習に使われることはありません。また、解約後もデータは残り、いつでも有償プランを再開できます。AIを活用した動画マニュアル作成ツールの比較もあわせてご覧ください。

 

まとめ

  • いまの作業分析ソフトは、撮る→分析する→標準作業にまとめる→現場の教育に使うまでを支える基盤へと進化している。紹介した5製品はいずれも、この流れを高い水準でカバーする優れたツール
  • 動画マニュアル作成まで対応する作業分析ソフト5選:OTRS10/タイムプリズム/EduMultiPlayer/Ollo Factory/Dive。標準時間の作り込み、ライン平準化、多画面の技能比較、AI自動化・異常検知と、それぞれ強みの置きどころが異なる
  • 選び方は、目的を1つに絞って強みを合わせる:複数ラインのライン編成・タクト設計ならIE分析専用ソフト、技能伝承・差の見える化なら多画面比較に強いソフト、整えた標準作業を現場で再現できる教育にしたいなら現場展開に強いソフト
  • Diveは、要素分解・標準時間算出・レイティング・組み換え・ECRS改善提案・before/after比較といった作業分析と、現場で作業中に開ける動画・AR手順書を1つのツールで兼ね備える。整えた標準作業を、現場の作業者が作業中に手元で見て自分で再現できる教育のかたちにできるのがDiveの置きどころ

作業分析ソフトはどれも進化し、優秀です。そのうえで「自社の目的は、分析の深掘りか、技能の見える化か、それとも整えた標準作業を現場で再現できる教育にすることか」を見極めると、選ぶべき1本が見えてきます。

 

分析して整えた最適な作業を、現場で見て再現できる教育へ。動画・AR手順書システム「Dive」

 


参考文献
※1 Mitsuri Media「IE手法【動作分析・作業分析編】製造業の現場改善」(2024)
※2 株式会社ブロードリーフ「動作分析・標準作業の策定のための多彩な分析機能を搭載したOTRS10」(2025)
※3 株式会社日本生工技研「発展型 作業分析・作業改善ツール タイムプリズム(TimePrism)」(2025)
※4 創造デザイン「技術・技能伝承・作業分析ソフト EduMultiPlayer」(2025)
※5 株式会社Ollo「Ollo Factory(製品紹介・導入実績)」ollo.jp(2025)

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