導入事例

ISOの文書管理をExcelから動画手順書へ|株式会社カスタム電子 導入事例

拠点ごとにバラバラだった作業標準をISO9001で統合した株式会社カスタム電子。取得後に残った「監査のたびに資料を探す」負担を、動画手順書のDiveで解消しました。ISO文書と教育記録を一本化するまでの導入事例です。

株式会社カスタム電子 ロゴ

株式会社カスタム電子

所在地: 〒183-0035 東京都府中市四谷2-24-8
事業内容: ハーネス加工、ケーブル加工、制御盤の組立配線、コネクタアッセンブリ、電子部品販売
拠点: 府中本社/府中工場・相模原工場・川崎工場・八王子工場/多摩営業所
設立: 1983年11月/従業員数: 178名
ISO9001:2015 認証取得(2024年4月)
Dive の利用プラン: Enterprise(Core からスモールスタート)


取引先による工場監査の場でのことです。

「御社のスキルマップを見せていただけますか」

相模原工場長兼、品質管理部長の吉田邦之さんは、Excel ではなく Dive の画面を開きました。その取引先は以前にも監査に来たことがあり、カスタム電子が Excel でスキル管理をしていたことを知っています。

「すごくないですか、それ」

そう言われた、と吉田さんは振り返ります。

 

動画が「見られない」を解決!現場作業特化型の動画・AR手順書システム「Dive」

 

図面の癖を読み、悩ませない体制をつくる

株式会社カスタム電子は、ハーネス加工と制御盤の組立配線を手がける会社です。府中の本社に加えて、府中・相模原・川崎・八王子に工場を持っています。

「ハーネスを作る技術と、制御盤を組み立てる技術の2つを持っているんです。ハーネスを作って制御盤に組み合わせることもあれば、ハーネス単体で受けて作ることもあります」

同社の仕事は、客先ごとに図面の癖が違うところに難しさがあります。寸法まで細かく指定してくる客先もあれば、絵は描いてあるけれど寸法がなく「任意」となっている客先もある。

そこでカスタム電子は、図面が来た段階で自社の標準書に落とし込みます。品質管理部が図面を解釈し、現場とも「どうやって作るか」をすり合わせたうえで、客先の承認を得て標準を決めてしまう。

「新規のときにそれをやっておくと、後々が楽なんです。どんな図面が来ても当てはめていける」

なぜそこまでするのか。吉田さんの答えは明快でした。

「うちはスピードが命なんです。問い合わせに対するレスポンス、見積のレスポンス、作るレスポンス、全部レスポンスを命にしている。どれだけ早く作れるかとなると、悩まないことが前提になる。だから、悩まさせない作り方の体制を構築していく会社なんです」

Dive の手順一覧。ハーネス束ね方の手順がステップごとに並んでいる

ISO を取ったら、組織ができた

いまでこそ全社で標準が統一されていますが、以前は違いました。

「ISO を取る前は、拠点ごとだったんですよ。川崎は川崎、府中は府中、八王子は八王子。主要なお客さんが違うので、標準もバラバラでした」

転機は、2024年4月の ISO9001 認証取得です。目的は2つありました。ひとつは新しい顧客を獲得するための看板。既存の取引先からは「ISO はいらない」と言われていたそうですが、新規の顧客を取りにいくなら、あったほうがいい。

もうひとつが、組織化でした。

「そもそも組織になっていなかったんです。だから、組織を構築しながら ISO を取得するという形で、同時進行でやりました。ISO が出来上がったときに、組織として出来上がったという感じですね」

規定はあえて最軽量に作りました。

「普段みなさんが作業しているときに、ISO を意識しなくてもできるレベルに作っているんです」

 

残ったのは「探す」時間だった

ただ、ISO を取れば終わりではありませんでした。

規定、標準書、教育記録、内部監査の記録。認証を維持するために管理すべき文書は増えていきます。そして監査のたびに、その中から必要なものを探し出す作業が発生する。

当社の代表が展示会でカスタム電子の社長にお会いしたとき、話に出たのがこの負担でした。監査のたびに品質管理の担当者が資料を探し出すのが大変そうだ、と。そこから Dive の紹介が始まっています。

 

撮れば、手順書になる

Dive の手順書再生画面。トルク締め作業の動画と注意点が並んでいる

導入後、まず取り組んだのが手順書づくりです。動画を撮れば、AI が手順の形に整えてくれる。

何もないところから手順書を作れる。簡単に、いっぱい作れる。すごくいいんですよ

2月から5月にかけて、同社は500を超える標準書と ISO 文書を一気に手順書へ移していきました。中心になったのは品質管理部の担当者です。

「相当な数でしたね。相当、頑張ってました」

作る作業そのものが速くなったことで、時間の使いどころが変わりました。同社が向き合うことになったのは、「どう作るか」ではなく「何を残すべきか」のほうです。

「目的に対してこの手順書が必要で、この手順書にはこのチェックポイントが全部入っていなければならない、というものがあるんです。そうすると、この動画だと足りないよね、これはちょっと余計だよね、というのが出てくる」

手順書の中身を、一本ずつ吟味していく。ISO の体系に載せるとは、そういうことでした。作るところで消耗していたら、ここまで手は回りません。

ここまでの作業は、言ってしまえば「すでにある正解を移す」ことでした。長年かけて作ってきた標準書と ISO の資料が手元にあり、それを動画の形に置き換えていく。

「いまは、うちが作った ISO の資料を Dive に入れて、喋らせている状態にしています」

Dive に取り込んだ作業手順書。検査(導通)の手順が並んでいる

 

動画が、言葉のズレを見つけた

思わぬ副産物もありました。動画にしてみると、同じものを人によって違う言葉で呼んでいることが分かったのです。

「端子の挿入のあとの部分を、ある人は『端子の顔』と言うんです。これ、顔か、と」

新人教育に使う手順書で、その言い方はまずい。ではあなたは何と呼ぶか、と別の人に聞くと、また違う言葉が返ってくる。

「これは社内で統一されていないからだよね、統一しよう、と。そういう話に発展していく、いいきっかけになりました

拠点ごとにバラバラだった標準を ISO で統合した同社にとって、次に出てきたのは、規定には書かれていない現場の言葉のズレでした。それを見つけたのは、監査でも書類でもなく、現場を撮った動画でした。

 

Excel を、やめた

ISO の規定類をフォルダで管理している画面
2026年7月、カスタム電子は Excel での運用を終わりにしました。8月から Dive での本運用に切り替えています。

「9月に顧客監査があるので、そのときは Dive でやりたい。来年1月には更新審査もあるので、それも Dive でやりたい。じゃあどこで切り替えようかと相談して、切り替えました」

結果として、当初の想定を超えた使い方になっている、と吉田さんは言います。

「いま完全に、ISO が Dive の中に組み込まれている。Dive が ISO でできてしまうし、ISO も Dive でできてしまう、という状態になっています」

 

監査で効いたこと

具体的に、どこが効いたのか。吉田さんが挙げたのは、日々の運用に埋もれがちな部分でした。

 

1. 更新の記録が、そのまま証跡になる

手順書の改訂履歴。いつ誰が更新したかが記録されている

「ISO の規定上、印鑑は書いていないんです。私は印鑑が嫌いなので、できるだけ無しでやっていました。ただ、審査員の方によっては『いつ、誰が更新したか分からない』と言われる。最初の審査員は印鑑はないほうがいいと言い、後から来た方は印鑑がないと、と言う」

要は、いつ更新され、いつ見直されたかが分かればいい。それは Dive にログとして残ります。

「ログを見せれば『なるほど』となる。これでいいじゃん、という話になりました」

 

2. 誰が見たか、誰に教えたかまで残る

閲覧記録。誰がいつ手順書を見たかが残っている
「動画を見たというログが残りますよね。それで記録を残そうかと思ったら、残ったうえに、さらに誰に教えたかまで全部残る。これはめっちゃいいじゃん、と」

 

3. 教育の目標が、そのまま答えになる

スキルマップ。工程ごとの必要人数と習熟状況が一覧になっているISO では、教育について目標を立て、その達成状況を示す必要があります。現状維持でよいと判断した場合も、なぜよいのかを記録に残さなければなりません。

「必要なスキルの人数が、全部そのまま目標になっているわけです。ここを全部満たしていれば、変える必要はないよね、となる。もうこれで目標を達成しているから、これ以上はしません、と言い切れる。監査で説明したら、答えが出てしまっているね、いいね、と言わせました」

同社のスキル管理そのものが、監査の場で評価されているといいます。

「ISO の認定審査のときも、そこはめちゃくちゃ褒められたんですよ。他のところの監査でも出すと、みんなすごいと言ってくれる」

 

土台ができた。次は現場へ

ここまでが、およそ半年での出来事です。

同社は展開の順序を決めていました。まず管理する側で土台を固め、規定と標準と教育記録を Dive の上で回るようにする。監査で通ることを確かめる。そのうえで現場へ開く。

現在は課長までの層に行き渡り、土台が完成した段階です。そして次の段階が、すぐそこに来ています。

10月ぐらいに、全社員分に落とす予定です。そうすると今度は、みんな写真や動画を撮りたがると思うんですよ

ここから、手順書づくりの性格が変わります。

これまでは、すでにある資料を動画に置き換える作業でした。全社員に開けば、まだ手順書になっていない作業を、現場がその場で撮って形にする場面が増えていきます。

ただ、現場の全員がカメラの前で滑らかに解説できるわけではありません。人に見られながら喋るのは気恥ずかしいものですし、そもそも音を出しにくい工程もある。手だけが動いて、言葉のない動画になることは十分にあります。

Dive はこの5月に動画解析を強化し、話し声がなくても、映っている作業そのものから精度よく手順の文章を組み立てられるようになりました。ゼロから作る場面が増えるこれからにこそ、同社が期待を寄せている部分でよ

現場が見る仕組みは、すでに用意されています。スキルマップに紐づけた手順書は、一度見なければスキルが付かない。見るべき人に通知が届き、見たことが記録に残る。ちょうど新しく入った社員が一人いるので、その流れを実際に動かしているところです。

先に触れた「端子の顔」の話も、ここにつながります。人によって呼び方が違うままでは、新人がその手順書を見ても分からない。だから言葉を揃える。新しく入った人が、手順書だけを見て作業に入れる状態を、同社はこの半年でつくってきました。

冒頭の言葉を、もう一度置きます。

「早く作れるかどうかは、悩まないことが前提。だから、悩まさせない作り方の体制を構築していく」

図面を標準に落とし込んで現場を悩ませない。その考え方を手順書まで伸ばせば、手が止まったときに人を探さなくて済むということになります。10月、それが全社員の手元に届きます。

9月には取引先の監査、来年1月には ISO の更新審査が控えています。どちらも、Dive で臨みます。

最後に、印象的な話を伺いました。展示会で当社の代表と話をした社長が、いまの状態を見て、笑いながらこう言ったそうです。

「でもさ吉田さん、俺の言ったのとちょっと違うよね。意図が変わってるよね」

監査のたびに資料を探す手間をなんとかしたい。始まりは、その一言でした。

 

動画が「見られない」を解決!現場作業特化型の動画・AR手順書システム「Dive」

 

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